息子とまで離れるとは・・・

息子(小6)が富山を離れることになった。僕の財布からお金(数千円のときもあれば1万円のときもある)を抜くことがあり、叱ったばかりなのにまた繰り返したので、激怒し「長崎に帰れ」と告げた。これまではそう言っても「いやだ」と否定してきたのだが、今回はおとなしく従っている。

母が一人暮らしになったので、なんとか母を頻繁に訪ねるか、同居できないかを考える中で、息子が母と同居し、僕は毎週訪ねるという形を探った際に、息子が富山の学校から転校したいと言うので(理由はネガティブな内容も含む)、これ幸いと検討を進めたのだが、ゲームやPCの時間管理ができず、母ももう80近いので気力体力的に小学生の相手は難しいのでは無いか、と別案を考えていた中での、急展開だった。娘達が今年から高校生になり、あと3年は僕が息子を引き受けたかったが、「(3年後の)中3になったら長崎に帰る」と伝えたことも、息子の立ち位置(自分の居場所)を不安定にし、それでお金をくすねたり、長崎に帰るのを素直に聞き入れているのかも知れない。

何度か、言って聞かせて思いとどまらせようとも考えたが、小学生の父親との二人暮らしは、やはりいびつなもので足りないものがある。どんな家族にも子供にも足りないものはあるのだが、無理をしてまで足りない状態にしておく必要も無い。無い物ねだりをして手に入れたからといって、その幸せが長く続かないことも、小学高学年ならわかり始めて良い頃だ。息子はいろいろ考えている。幼稚な振る舞い以上に、考えは真っ当であったり大人びていたり常識的だったり自分らしさがあったり。そこまで育ってくれたこと、父親としてそれに気づけたことは、この二人暮らしの最大の成果で、常に覚えておかなければならない。これから難しい年頃になる息子と、距離が生まれる可能性もあるだろうが、息子には息子の考えのベースがしっかりできていることを、忘れては成らない。

二人暮らしは1年と1ヶ月だった。毎日、相手をしたり、料理をしたり、大変だったが、やはり失うとなると悲しいし、空虚感が著しい。しかし、前を向かなければならない。