九州一周(鬼滅ラッピングトレイン&AR)旅行

JR九州が、夏から「域内の特急乗り放題2日で1万円」という切符を売り出している。すごいのは子供が2000円だということ。なので夏に旅行できなかった息子(小三)と二人旅に出ることに。

 

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土曜(10/3)の夜から、ネットの乗り継ぎ検索と、紙の時刻表を駆使し、日曜朝に特急指定席の空き具合を調べてから乗り放題切符を予約し、JR長崎駅へ(特急の予約は駅の券売機か窓口で無いとできない)。指定席を取りながら、乗り放題切符も発券してもらう。

 

【1日目】長崎—(かもめ)→博多—(ソニック)→大分—(にちりん)→宮崎(青島まで行き「海幸山崎」で帰ってくる)—(きりしま)→都城

 都城泊は、息子の希望。鹿児島まで行くと19時を過ぎるので、どうするか相談した結果、理由は分からないが都城で泊まりたいと言う。宮崎のホテルを応援する意味でも良い選択のはず。僕も初めて行く(というか宮崎県は、鹿児島に行く際の通過を除けば15年前の延岡泊以来の2回目)。

【2日目】都城—(きりしま)→鹿児島中央—(さくら)→熊本(「A列車で行こう」で三角を往復)—(つばめ)→博多—(ゆふいんの森)→日田ー(普通)→鳥栖—(かもめ)→長崎

一番の目玉は「ゆふいんの森」か。指宿の砂蒸し風呂にも行きたかったけど、息子が「海幸山幸っておもしろい名前」ということでそちらに。これらの特急は本数が少なくて組み込むのが難しい!あそぼーいは一週間前でも満席で除外。あと「かもめ」は白でなくて黒が良いという二人の共通意見も取り入れてある。A列車はたまたま組み込めた。三角での待ち時間がすくないのが良い。

 ちょうど「鬼滅の刃」とJR九州とのコラボがはじまり、ラッピングトレインや、デジタルフォトフレームなどを、可能な範囲で楽しむように考慮した(つまり、初っぱなの「かもめ」は佐賀でラッピングトレインに乗り換えるようにした結果、海幸山幸での乗車時間が短くなった)。

そんな予約を取った翌日、台風が発生・・・。夏休みの旅行も出発直後から天気予報が悪化。9月の出張も台風9・10号の隙間にぶちあたり、3泊の予定が1泊しかできず、またこれか・・・。きっと今年の天気は僕が悪くしている・・・。

水曜日になり、ようやく予報が少しましになり、宮崎から離れる予報になった。天気も、土曜日が嵐マークだったのが、普通の雨マークに(宮崎と鹿児島)。

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↓旅行前日には無事逸れるという予報に(旅行は10〜11日)。

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今年は悪天の予報を引き寄せているが、なんだかんだで回避できてるのも事実。

 

10月10日(土)

前日もなかなか寝なかった息子だが、当日の朝は5時頃に、元気な状態で起きてきた。楽しみで目が覚めたとのこと。いつものように不機嫌に起きてくるより10倍良い。実は僕も、旅程がうまく進むか心配なためか、3時頃に目が覚めて、うとうとしていた状態だった。

ふたりとも早起き(6時頃には布団から出た)したので、おにぎりを作って車で食べるという予定を変更し、家で食べて出かけることに。6時50分出発で7時45分のかもめに乗る。

諫早駅の駐車場に駐め、諫早駅で最初の「鬼滅AR」をする。ポスターで読み取り「無一郎」が出てきて嬉しいのだが、小さいし、画面の下の方だし、一緒に撮るのも難しい。もうちょっと工夫があると良い。

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最初の(そして最大で、かつ最後と言っても良い)難関は、このかもめで起こった。諫早駅を出てしばらくすると停車し、多良駅で点検のため信号待ちと言う。佐賀駅でラッピングトレインに乗りかえるための待ち時間は15分しかなく、その15分がこの停車によって失われてしまった。もうラッピングに乗ることはあきらめたほうが良い、博多駅で追いついたら写真が撮れるよと息子に言い聞かせる。息子は「乗りたかった」とこぼすが、仕方ない。もし博多駅で大分行きの列車に乗り遅れたら、今日の予定は1つ目の電車で全て狂わされることになる、という点で最大の難関と言える。その場合は、海幸山幸をあきらめ、なんとか都城で泊まることを目標としなければならない。

ところが佐賀駅に着くとラッピングトレインが待っており、念のため下りる準備をしていたのですぐに飛び出す。車掌さんによると出発までの時間は3分あり、とりあえず炭次郎、ネズコを撮る。家からおもちゃの刀を持ってきており、ノリノリの息子。車内でもARをする(あいかわらず力不足な画像・・・)。それでも思いがけず電車が待っていて、予定通りに進んだ充足感に包まれる。JRとしては、電車の順番を変えない方が、順番を変えて一部の電車を時間通りに動かすより都合が良いのだろうか。まさか長崎から来るラッピングトレイン目当てのかもめ乗客を待っていたわけでは無いだろうが(長崎発かもめも博多まで行くので、佐賀で別のかもめに乗り換える客も居ないはず)。

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鳥栖駅には風柱のARがいるが、停車のみなので駅のポスターを撮りに行く時間が無い。そこで前日に考えついた方法が、ポスターの画像を印刷して持って行き、それを駅でスキャンすればARができるのではないかと言うこと。その方法はずばり的中し(つまりポスターは駅ごとに同一で、場所情報(GPS)が変わることで現れる画像も変わるということ)、無事車両内で風柱と撮影成功。

博多駅は6分遅れで着いた。もともとのんびり駅弁を買う時間も無いなと思っていたところに痛い遅れだが、残りのキャラのラッピングとも撮影を終え、改札を出たところにあると記憶している駅弁ブースに飛び込み、東筑軒のかしわめし弁当と、悩む息子にはシュウマイ(ご飯無し)を提案し、二人で分け合うことに。かしわめしは折尾のホームで買いたかったが、停車のみなのであきらめたのだった。

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 博多からはソニックで大分へ。箱崎には「煉獄さん」のARがあるが、高速で通過したためできず、折尾、遠賀川と過ぎていく。小倉では進行方向が変わる理由を話し、別府駅では息子の好きな「いのすけ」と撮影。大分でホームの向かいに待っている「にちりん」に乗り換え。

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宮崎までの3時間が、この旅で一番長い乗車継続時間。僕はちょっと眠り、息子は「トムソーヤの冒険」や「風の谷のナウシカ」などを読んでいる。佐伯、延岡(県境の秘境駅には観光客か、ちらほら人がいた)を通過し、日南海岸は結構白波が立っている。息子がいらいらしないか心配だったが、JTBの全路線ブックに道のりをマークしたりして過ごし、無事に宮崎に到着。宮崎(僕も初)は駅を出てみたが何も無く、おやつにじゃかりことコーヒーを買い、普通電車で青島に向かう。そこで「海幸山幸」を待つ間、海岸に出て、この旅行で唯一の観光めいたことをする(この旅行でもっとも家から遠い地点でもある)。息子にはコーヒー牛乳を買う(じゃがりこと一緒に買えば良かった)。

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青島は30分ほどの滞在時間なので、観光もあっという間に切り上げ、駅で列車を待つ。もう夕日の時刻だ。この旅で初めての観光列車。外装も車内も木が使われて、息子は日よけも木でできていることに気づいて驚いている(いろいろ自分で見つけて感動ようになった)。乗車記念のプレートを持って撮影してくれたり、販売カウンターでお土産を買ったり(九州の観光列車がつながったストラップ1300円!)、大勢のCAさんも優しくて、息子が鬼滅のバッジをしているのに気付いて話しかけてくれたり、ラッピングトレインの話を振ってくれたり。でも息子はちょっと話すのを恥ずかしく感じるようになったようで、「ゆふいんの森」でスタンプ用の台紙が無くなっていることをCAさんにつたえるのも「パパがして」と言うようになった。

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短い距離ながら30分ほどの時間をかけて宮崎に到着し、夕焼けを見ながら(息子は撮影しながら)「きりしま」にて都城へ。18時半に到着。都城のARは特殊で、ポスターの横に「鬼」の字のようなマークがあり、それをスキャンしろと出てくる。最初はそれがうまくいかず(息子が言うにはもっとアップにしなければいけないとのこと)、駅員さんに相談して成功(しのぶさん)。

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宿泊は歩いて5分の都城グリーンホテル。大きなお風呂があるからそこを選んだ、と息子に伝えると、他には?と聞いてくるので、駅が近い、線路が見える、安い、など、追加報告させられる。いろんなことを聞いてくるようになった。荷物を置いて19時に食事に出かける。旅行前に調べておいた、チキン南蛮が食べられる飲み屋(駅とホテルの間)に行く。僕はビール、息子はコーラ、チキン南蛮、サラダ、がね(野菜のかき揚げ風)、串3本(息子が肉を食べたいと言う)、で二人ではお腹いっぱいに(あたりまえか)。ちょっと残してしまった。

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ホテルへの帰りにコンビニに寄って朝食のパンと牛乳を買い、ホテルの風呂に入り、9時から鬼滅を2時間見て、寝る。

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10月11日(日)

翌朝は7時に起きて8:06の電車に乗ろうと相談していたが、朝風呂に入る予定を組み込み忘れていて、6時半に呼びかけて浸かりに。予定通り7:40にはチェックアウトし、駅でもういちどARをして、きりしまに乗る。今回の切符は6回だけ指定席が取れるので、始発の電車は指定席を取らず、最初と最後のかもめも念のため指定を取ったので、このきりしまだけは「始発で無いのに指定席を取っていない」唯一の区間。でもやっぱり大丈夫だった。鹿児島に向かう。息子は座席を回転させられることを学び、自由席では積極的にボックスシートを作り、悠々と過ごす。静かに回転させるペダルの使い方も自分で発見していた。

霧島神宮では「義勇さん」のARだが、都城のようにポスターでうまくいくかは不明なので、都城で「鬼」マークをデジカメで撮影しておき、そちらをスキャンして義勇さんを召喚。息子は、たんじろう、伊之助、義勇さんが好きなキャラらしい。朝6時の電車に乗って霧島神宮で下りられるようにすることも考えたが、体力的にも無理だったので、車内でARができて良かった。

錦江湾の向こうの桜島を眺めながら鹿児島中央に到着。ここの乗り換えは9分なので、スムーズというか、ぎりぎりと言うか、でも歩いて余裕で間に合う。熊本までは「さくら」。「川内」の読み方や、お土産を買う駅などを話しながら過ごす。二日目の空き時間は、次の熊本駅での15分と、三角から帰ってきたときの40分、その後の博多で60分である。博多では箱崎往復も可能だが、息子もしなくて良いと言うので、次の15分で下見をし、その次の40分で気に入った物を買い、博多の60分は予備にとっておくことに。僕からは海幸山幸でストラップを買ってやったので、後は自分のお金で買うことにしてもらう。ナノブロックや、ペーパークラフト、キーホルダーなどを見る。

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A列車は一番混んでいた車両。乗客のほとんどが大人。カウンターでハイボールを注文する人も多く、大人向けの電車なんだな。でも黒と金の外装、車内もシックで、子供がどう感じるかは不明だが、悪い影響は無いだろう。三角のARは「ぜんいつ」で、金髪がA列車の外装と合っていた。三角ですぐに折り返すので、ほぼ同じ人数が戻るのだろうと思っていたが、結構人は減っていた。僕にとっては夕日のオコシキ海岸の干潟はあこがれだけど、時間的にその風景が見られるわけでも無く、「ここがかぁ」という感じで通り過ぎる。線路に迫る緑が午前の光をあびてきれいだった。息子も先頭車両で動画を撮り続けるなどしていた。

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熊本駅で、息子は自分のお土産は決めきれず、家族用にスイートポテトを買う(おしり探偵の好物だとか)。ここでGotoトラベルのクーポンを使いたかったのだが、iPadが「未対応の端末」だとか言われて使えず、どういうこと!?しょうもないな。今回はARとクーポンのために、iPadとレンタルのモバイルルーターを持ってきたが、レンタル代の一部が回収できなかった・・・。

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熊本から博多までは九州新幹線「つばめ」これも熊本始発で時間も昼頃なので、自由席でもガラガラ。肉を食べたいという息子に赤牛の駅弁を買い、出発前に食べ始める。2度目の鳥栖を通過する。


博多ではおみやげとおやつ買いだしに時間を使う。博多口そばの鉄道グッズコーナーが目当てだったが、その手前(改札寄り)で見た鬼滅のキーホルダー(孤立注意や一旦停止などの交通標識パロディで面白かったが値段が高い)を見たりして、博多口そばでガチャガチャをすることに。くまモンのスタンプで罫線が描けるものに惹かれてしたのだが、コミュニケーションツールをほしがるようになるとは、やはり昔とは違う(むかしはただおもちゃをほしがった)。

f:id:U_S_K:20201011135615j:plainその後、駅前の広場で息子が家族にメールをしてから、「ゆふいんの森」の時間もせまってきたので、博多土産のお菓子を単品で2種類買い、コーヒーとコーヒー牛乳を買い込み、ホームへ。やっぱり今回のメインはゆふいんの森だなー。かなり昔の車両で、出た頃はカッコイイとはあまり感じなかったが、お互いに年季が入ったためか魅力を感じるようになった。

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到着後掃除があり、乗り込めるのは出発の1分前。ハイデッカーで、ドアから入るとすぐに階段がある。適当に取ってもらった指定席は1号車で先頭車両。パノラマカーになっていて良い。テーブルが前の席の背もたれと、シートの肘掛けの両方にあるので、二人で4枚も使える。お菓子を食べたり、うろうろしたり、どれかの車内で検討した(たぶんつばめ)お土産の「ゆふいんの森マグネット310円」を買ったり、博多日田の1時間20分を満喫した。筑後川が洪水になった話をしたり。

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日田には今回最後のAR「ねずこ」がいる。駅前のモニュメントを活用して撮影。もう日が傾く頃に長崎への帰途に着く。まず普通電車で久留米まで1時間。乗り換えて鳥栖まで6分。そこからかもめ(お気に入りの黒)で諫早まで帰る。さすがに息子も飽きてきているだろうと、久留米までの車内ではYoutubeを見ることを許す。僕ものんびり過ごしたい。田主丸のカッパの駅舎は見逃した。息子が見ていたマインクラフトの動画に出てくる亀のキャラが「ゆふいんの森に似てるね」と話しながら過ごす。

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最後のかもめにも無事乗る。夕食はガストで食べて帰ることにする。息子は帰りたくないと言っている。昨日に戻りたいと。息子との泊まりがけの二人旅は、去年の登山に続いて二度目だろう。この歳では母親から離れるのはやはり不安だろうし、どう感じているのかは本当のところは分からないが、今回は泣き出すようなことは無かった(去年はテントの中で泣いた)。

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旅行に出るのはちょっと不安もあったりする。僕なんかは大学時代でも一人で旅行に出るときには心細さを感じたものだ。息子は旅行が好きと言っているし、今回も楽しんだようだ。逆に家に帰ることに寂しさを感じているようだ(日常に戻るのがつらい気持ちはこちらも同じ)。家でのんびりすごせば、こんな寂しさや喪失感も無いだろうけど、楽しいことをすれば、それが終わることに寂しさを感じる。どっちが良いかな、というような話をして諫早駅に到着した。車内でレンタルルーターの荷造りなどもした。

車でガストの位置を検索し、混んでなかなか料理が運ばれて来ないのに疲れ、それでも9時前に家に着く。最近は日曜に買っている鬼滅マンガは月曜日に買うことにして、今日は早く寝るように進めたのだが、やはり10時頃まで起きていたようだ。翌朝は二人ともまだ疲れていた。まだ電車に乗っているような感じだった。

今回の旅行で息子の成長を感じられた。家に居るととにかく母親や姉に甘えたくて怒られてばかり居るので気付かない。感心したのは以下の点。

 

・長時間の乗車でも、読書したり、写真を撮ったり、散歩したりして気を紛らわす。

・意見、質問、感想など、自分らしい視点で述べることができる。

iPadやデジカメ、カーナビの機能を貪欲に探求し、父親を凌駕する部分もある(カメラの設定を変えられるのは困るが)。

・家族と自分へのお土産を、自分の管理している予算内で考えながら購入する。

・車両の設備、案内表示、はじめての土地の情報を積極的に入手しようとする好奇心。

・知らない人に声をかける時、もしくはかけられた時の恥ずかしさの芽生え。

・刀を振り回す子供らしさ。

・車内で大きな音を立てないように一度注意したら、その後は配慮できた。

・川、海、夕焼けなど、風景への関心。

 

気を揉んだ台風は迷走して消滅するようだ。

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