山鹿・阿蘇・柳川旅行



毎年恒例の年度末旅行は、ことしは2月に行ってしまうことにした。旅行はこれまで、雲仙や嬉野など、近場ばかりなので、今回はちょっと遠出して熊本まで行こう、ということになり、2月20日から23日まで、2泊3日で予定を組んだ。最初は黒川まで行くかとか相談していたのだけど、遠いことや値段も気になって、しかし他の温泉地となると、どこの温泉がいいのか、どこの旅館がいいのかわからない、と直前まで探し続ける羽目に。たまたまテレビのニュースで柳川の水路掃除の映像が流れ、僕は柳川に行ったことがないので「行ってみたい」ということになり、柳川近辺の温泉宿として、樋口軒船小屋温泉 ホテル 樋口軒を選択。しかしなかなか値段が張るので、平日料金で泊まれる二日目の宿として予約。一日目は、山鹿に行きたいと思っていたのだが、もう直前でなかなかいい宿が見つからず、二日目に阿蘇のカドリードミニオンやファームランドに行くならもうちょっと阿蘇に近いところが安心かと思い、菊池温泉の菊池グランドホテルhttp://www.kikuchi-grandhotel.jp/に泊まることに。名前に歴史を感じさせるので、建物やお風呂にはちょっと不安を残したままの、宿泊前日に入れた予約だった。

  • 1日目 長崎から山鹿、菊池へ

f:id:U_S_K:20090221133758j:image:right長崎から熊本へ行くのなら、フェリーが手っ取り早い。島原から熊本市へ行くフェリーもあれば、多比良から長洲へのフェリーもある。今回はより短距離で、山鹿へも近い後者のルートで行くことに。11時前に家を出て、途中なじみの唐比の農家バイキングへ寄り、1時20分発のフェリーに間に合うように多比良港に到着。ホームページで見つけた割引クーポンを使い、車と大人に名で2200円ほどの片道料金。乗客はそれほど多いわけでなく、子どもが客室内を歩き回れるくらい。1時間もせずに長洲港へ着く。ここからはナビのお世話になりつつ、1時間で山鹿へ。熊本の道は広い。見晴らしも良い!天気は花曇りだけど、菜の花もちょこちょこと咲いていて、春らしい。

f:id:U_S_K:20090221151041j:image:right山鹿は灯籠が有名。女性が灯籠を頭に乗せて踊る盆踊りも有名。でもあの灯籠が紙でできていると知った時は驚いた。今回はそのあたりの謎を解くのも(僕個人の)目的のひとつだった。山鹿は、観光客用の無料駐車場もあってとても助かる。というか、駐車場が有料だと思っているのは、土地の無い長崎で生活していて身に付いてしまった常識なのかもしれない。メインストリートは、八千代座という劇場近辺だ。ちょうど「山鹿灯籠浪漫・百華百彩」というのをやっていて、和傘や竹を使ったライトアップの準備がされていた。そのメインストリート沿いの竜山窯という焼き物のお店にちょっと入ってみた。焼き物もデザインがよくてカッコ良かったのだけども、木で作った円形木琴というのが、子どものおもちゃとしても良いかと思い、買ってしまった。熊本大学の先生が環境保全のために考案したものらしい。ヒノキで作られていて、音も香りもなかなか良い。

f:id:U_S_K:20090221154625j:image:rightそのお店で観光名所を聞くと「八千代座」とのことで、迷わず八千代座へ向かう。桟敷席のある劇場で、ホームページで見て「なかなか珍しいな」と思っていた。だけども時間の関係もあるし、中に入ることまでできるかなと思っていたけど、歩きまわるのも億劫なので、灯籠資料館と共通の入場券が650円であるので、入ってみることに。

f:id:U_S_K:20090221154533j:image:rightちょうど子供歌舞伎の練習をしていたり、ガイドさんが説明してくれたりして、とても楽しかった。歌舞伎座のように花道があり、「すっぽん」という床下からせりあがる部分があったり、大改修の話や、天井の看板の話、ガス灯のシャンデリアの話など、いろいろ聞けた。子どもたちは畳の桟敷席を自由に歩きまわり、いい運動になったみたいだ。回り舞台の下(奈落と言うらしい)を通って帰る。

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灯籠資料館は、双子用のベビーカーは入れない。抱っこひもで走り抜ける。灯籠製作の実演もしてあり、紙の厚さまで考慮して作る細かさに驚く。そこで聞いた話をまとめてみると、山鹿はまず紙作りの伝統があり、その紙を使って神社に灯籠を奉納したところ話題になって、それで寺や神社などの建物まで紙で作るようになり、また観賞用の鳥かごも紙で作ってしまうようになったのだとか。踊りで頭に載せる灯籠には、ペンライトが入っており、電池が作られた戦後に始まった踊りなのだろうな。伝統としては和傘やうちわなどのほうが古いと言えるようだ。

山鹿から菊池へは40分ほど。5時半には着いた。チェックインすると、さっそく特典のさつまいもがもらえた。部屋は広く、縁側も普通の倍ほどの広さで畳敷き。畳ももちろん本物で、安旅館にあるビニールではなかったことに安堵する。お風呂も広く、料理はまぁそれなりで、宿泊者が多いからか活気もあり、値段の割に満足度の高い宿だった。家族風呂は無く、子供は一人ずつ分担して入れた。ぼくは子供が寝てからもう一度入った。嫁さんは朝もう一度入った。やはり男風呂と女風呂は広さが違ったらしく、朝は入れ替わって、その広さに驚いたようだ。子供用に大人布団を一枚追加し(追加料金1000円)、1泊2日、大人二人、1歳児二人(食事なし)で、20,000円。

翌日は残念ながら雨。出かける前から覚悟はしていたけど、日ごろの行いの良さに賭けていただけに無念。。。二日目は阿蘇の予定だった。本当は、草原のような場所で走り回れて、動物とも遊べて、それから白川水源を見たり、田楽を食べたりできないか、と期待していた。田楽は、一週間前に床屋に行ったときに、阿蘇には田楽がある、という話を聞いてどうしても食べたくなったのだけど、動き回る子どもたちに、囲炉裏で田楽は危険すぎないかと、あきらめてはいた。とにかく雨だが、「雨はしょうしょうと降っている」というフレーズを夫婦で口ずさみながら、阿蘇を目指すことに。菊池から阿蘇に行くには、直線的に平たん部を進むか、菊池渓谷沿いの道を行き北側から阿蘇に入るか、2つのルートがあるが、幹線道路は昨日の「山鹿ー菊池」間で十分なので、ホテルのフロントに渓谷沿いの道が広い道であることを確認してから出発(地図に「凍結注意」とか、先日の床屋で、阿蘇近辺にはすれ違いもしにくい3桁国道がある、と聞いていたため)。

f:id:U_S_K:20090222135905j:image:right菊池渓谷は、新緑や紅葉の時期はきれいだろうなぁと思われる山間の道。それでも自然の多い道を走ったほうが、旅行に出た気分は出る。農業試験場に出たら草原が現れ、その中の道を走る。ミルクロードという、外輪山の稜線を走る道路で、外輪山を北側から西側に抜け、とりあえずファームランドに寄ることに。ファームランドも、残念ながら雨の中遊べるような施設は無かった。お昼時でもあり、ワールドバイキングで昼食をとることに。バイキングのある建物に行く途中でガラス館を見たりして楽しむ。バイキングは大人2000円とやや高いが、子どもも食べれる物があるし、雨のためか人もまばらで、子どもが歩き回っても危険ではないので、良い選択だったのかもしれない。何組かのおじさん、おばさんに囲まれる。阿蘇の写真はほんとに撮れなかった。ミルクロードからたまに見える外輪山内側の景色は、雨でもやはり奇麗だった。

f:id:U_S_K:20090222163935j:image:rightファームランドを出ると、一路、高速熊本インターへ向かう。1時間ほど。熊本インターから南関インターまで1100円。南関で降りてすぐの巨大直売所のようなところで休憩しつつ、一般道を40分ほど走って船小屋温泉に5時頃到着。到着時は小雨だった。ロビーでお茶菓子が出て、ほっと一息。ホテルのロビーのように、広々して、転んでも痛くなくて、大人はソファーでくつろげて、っていう育児スペースがあればいいのになぁ、と帰ってから思った。

f:id:U_S_K:20090222190716j:image:right部屋は、畳も江戸間で小さく、昨日のグランドホテルに比べると狭いけど、最近建て替えたのできれいでデザインもかっこいい。その日は結婚式があるということで、6時半ごろに花火が上がるということだった。6時半から御飯をお願いしていたのだけど、子どもたちにご飯をあげてから、花火を見た後で大人はご飯にしようと待っていたら、花火がなかなか上がらず、前菜やらメインやらを、つまみ食いする始末。写真のように、今回は食事用のローチェアまで持って行った。僕はいらないように思っていたけど、あるとやっぱり助かった。

f:id:U_S_K:20090222190953j:image:right花火は、雨のため遅れて、これまた雨のためか1,2回上がったのみだった(長くても5分以内とのことだが)。温泉は、狭いがきれいで満足。ただ、炭酸泉ということで泡がぷくぷく体にまとわりつくのを期待していったけど、そんな様子はまったくなくて残念。でも料理は、フレンチ風に盛られた前菜、ステーキ、意外なものが入った茶碗蒸しなど、どれもおいしかった。僕は10時頃には寝てしまい。2時頃起きて歯を磨いて、それからしばらく寝付けなくて、6時頃に目が覚めて、お風呂で空が明るくなってくるのを眺めていた。昨日と同じく、子供用に大人布団を一枚追加し(追加料金3000円!)、1泊2日、大人二人、1歳児二人(食事なし)で、32,000円。

  • 3日目 柳川から長崎へ

f:id:U_S_K:20090223111547j:image:right10時にチェックアウトし柳川へ。30分ほどだった。駅から市内を横断して、掘割の西の端にある市営駐車場へ。いくらかなと思いつつ行くと、なんと無料だった。すばらしいなぁ、長崎以外の地域は。天気は、風が強いが晴れ。なんとか観光できる天気だ。駐車場近くの観光情報センターで、川下りの方法を聞く。どうやらこのあたりは、川下りの終点らしく、近くの川下り業者の事務所に行けば、車で送ってくれるという。来るまでは、掘割を一周するのかと思っていたら、どうやら一方通行らしい。で、御花という観光名所前にあった、いちばん近くの業者に申し込むと、どうやら「川登り」もできるらしく、もう人数が揃っているからすぐ乗れという。大人一人1500円。時間は80分ほどとのこと。川面近くから眺める景色は、広々としていて気持ちが良かった。梅が盛りで、多くの家の庭で咲いていた。

f:id:U_S_K:20090223120758j:image:right船頭さんは、歌を歌ったり、北原白秋など柳川に関係ある有名人(オノヨーコなど)の話をしたり、カチガラス(カササギ)というカラスに白い模様が入ったような鳥の説明を受けたり(カササギは豊臣時代に連れてこられたらしい鳥であることを初めて知った)、楽しませてくれる。柳川の掘割は、そもそも民家の洗い場、飲み水としてつくられたもので、川下りは、水上勉が思いついたものだそうだ(これは終点からの車の中で聞いた話)。だから掘割にかかる橋は、川下りを想定しておらず、道路と同じ高さであり、よって橋をくぐるときは、お客は橋の裏側を触れるし、船頭さんはしゃがまなければ頭を打つ。

f:id:U_S_K:20090223122257j:image:right「川登り」であったためか、途中で休憩をはさんだためか、11時過ぎに乗った船は、1時過ぎに終点に着いた。車でスタート地点まで送ってもらい、柳川名物のうなぎのせいろ蒸しを食べに。福柳というお店へ入る。せいろ蒸しは結構早く出てくるので助かる。ここでも子供たちはやりたい放題。掘りごたつの下に入ったり、薬味に手を出したり。でもせいろ蒸しはご飯にしみ込んだたれもおいしく。幸せだった。せいろ蒸し1人前1850円。

16時20分のフェリーで、長崎へ帰った。ぼくは朝が早かったせいか、長崎内の運転は嫁さんに投げてしまった。眠かったー。

今回の旅行、車に乗っている間、子どもたちは寝ているかお菓子を要求するかだった。結果的にやたらとお菓子を食べさせてしまった。帰ってきてから嫁さんが「でもよく熊本までいけたよね〜」とつぶやいていた。