退院して三日



 木曜日に急遽退院した。病院側も出産予定が立て込んでいるようで、長い間(術後二週間半)お世話になりましたと心から感謝したい。実家に帰るはずが、母乳外来やら一ヶ月検診やらがすぐ来るので、長崎の家に帰ってきた。僕としてはうれしい。嫁さんのお母さんが佐世保と長崎を頻繁に往来して、ご飯を作ってくれている。一ヶ月検診が済んだら、佐世保の実家で養生を続ける予定だけど、このまま行けばどうなるか分からない。予定通りには全然いかないものだ。

 家にやってきた赤ちゃんたち、今のところ元気にしている。お乳は毎日7、8回、オムツ換えも毎日7,8回だ。双子あわせればその倍だ。沐浴は僕の仕事になった。赤ちゃん用の石けんを使っているが、紹介はまた後日。二日やってみたが、今のところ、「怖々かつ適当」だ。4回中3回はおとなしくしてくれている(二人×二日だから4回)。たまに暴れるので落としそうになり怖い。手足をいきなり伸ばすのだ。自分が沐浴係だから言うわけではないが、毎日入ったり、石けんで洗うというのは、かえって肌を乾燥させたり、弱くしてしまうこともあるのではないだろうか。親はとかく子に構ってしまいがちだが、「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」ということも頭の片隅に置いておきたい。

 昨日の夜はサアが一時間おきにお乳を飲み、そのままのペースで深夜まで行くのかと心配になった。サアはアゴも二重になったり、腿もふっくらしたりと、目に見えて変化しつつある。もともと小さいホーは、食も細く、まだそんなに太っていない。二人には300gほどの体重差があるが、そのうち無くなるだろうと僕は楽観視している。なにしろ一卵性双生児だから、遺伝的には全く一緒。たしかに初期条件(出生体重)は違うけども、好きなだけ飲み食いさせれば同じ体重になるはず。でもそうなると二人の区別が付かなくなる。今のところ二人の区別は主に体型の違いでおこなっている。それからサアにある下あごの「歯」。これらが無くなると困る。昨日も二人の寝顔を見ながら、「やっぱ似てるナー」と感心した。

 泣き声が大きくなってきた。生まれた頃は「ほえ〜」という感じで可愛らしく泣いていて、もっと元気に泣いてくれとさえ思っていたのに、帰ってきてからは全力で泣いている。もしかして苦しいのか?嫁さんは、赤ちゃんがたまに発する変な声に癒されている。最近は「あ〜〜〜、ぎゃ〜〜〜」と泣いている途中でたまに「あ?」と、とぼけた声を出すのが気に入っている。嫁さんによると、赤ちゃんたちは「あー、あ〜、ア〜」と音程を換えて歌っていることもあるということだ。そのほかの動きでは、起きてるときに、タオルでくるまれながらもバンザイしたり足を伸ばしたりしている。なかなか強い。赤ちゃんの握る力は強いというが(胎児が母親にしがみつくサルの時代の名残か)、蹴飛ばす力も強くなってきた。立つんじゃないかと思うくらいだ。僕が赤ちゃんの足を持って曲げ伸ばしをして遊ばせてもらったりもする。

 帰ってきてから2日ほどは母乳ばかりだったが、昨日から搾乳を開始。昨晩ほ乳びんであげてみたが、飲みは悪い。まぁこれもそのうち飲むようになるだろう。同時にほ乳びんおよび搾乳器のミルトン消毒も開始。

 今日は嫁さんのお母さんの誕生日なので、お寿司でも取ってお祝いしようと思う。