妊娠判明から始まる心配の数々



妊娠が分かってから、はや9ヶ月。いよいよ10月16日が帝王切開の予定日となった。あと9日だ。ここで、これまでの数々の診断において宣告された心配の種(種のまま済んで良かった)をまとめておきたい。

1.3ヶ月目、まず双子ということが心配の種だったが、もしかしたら双子の中でも1%しかいないという、一絨毛膜一羊膜性の双子かもしれないといわれた。他の99%の双子は、それぞれが一つの羊膜の中に入っている。つまり子宮の中に2つの袋があり、それぞれに一人ずつ入っているわけだ。しかし一絨毛膜一羊膜性というのは、一つの袋に二人まとめて入っているわけで、へその緒が絡まったりするなど、非常に危険である。このような膜性診断は、エコーによって行われるわけだが、二つの胚(赤ん坊)の間に膜があるかどうか、二人の距離が近すぎないかを見て判断する。この後、個人病院からNICUのある総合病院に移り、精密に(丁寧に?)検査した結果、一絨毛膜二羊膜性であることが判明。絨毛膜は、羊膜よりも頑丈な膜で、それすらも2つある(それぞれの絨毛膜にくるまれている)場合は、二卵生の双子だ。このようなわけで、危険な膜性ではないことも分かり、また一卵性であることも判明し、人心地。

2.双体間輸血症候群の可能性があるといわれた。二人の生長率に差があるからだ。それはかなり早めからいわれていたが、五ヶ月頃か、小さいほうに膀胱が見えないということで、双体間輸血が起こっている可能性が強くなった。これは双子の間で偏った栄養(血液)の配分が起こるために生じる。胎盤を共有している場合に起こるようだ。ちなみに僕らがお世話になった国立長崎医療センターでは、ほぼ週1回で検診をした。たまに10日空くこともあったが、ほぼ週一回だった。そして双体間輸血もつぶさに様子を見て、実際に起こっているならなんと山口大学まで手術に行かなければならないと知らされた。手術によって胎盤の血管を切るかなんかして、片方に余分な血が行くのを防ぎ、もう片方の血液が不足しないように調節するという。幸運にも、そのうち二人ともに膀胱が見えるようになり、手術は免れることができた。

3.妊娠糖尿病。7ヶ月ころだったか、嫁さんの尿に糖が出たことがあった。これも怖いが、どうやら検査の前日にご馳走を食べに出かけたのが原因だったようで、翌週の検査では正常だった。

4.同じく7〜8ヶ月頃、赤ちゃんの生長が遅いことが心配された。胎児の生長曲線には平均体重(理想体重?)の上下に、「許容範囲」のようなものが設けられているが、うちの子たちは、この下限あたり。これから出産までに胎児は大きく生長するが、もしその生長がわずかで、その下限値よりも下に割り込んでいくようなら、なんらかの処置が必要といわれた。これも幸い生長が開始され、それでも平均値には達しそうもないが、元気に動いているので問題なしとなった。

5.最初からつい最近まで、二人の間の体重差があった。5%くらいだろうか。なんとか同じくらいにしようと、担当の先生は都合の良い数字が出るまでなんども計り直してくれたりした(根本的な解決にはなってない)。担当の先生は、羊水の測り方とかは適当で、羊膜内の黒い空間の垂直距離を比較していた。面積とかではないのだ。その豪快さがけっこう頼もしく思えた。まぁその程度の体重差は許容範囲内なので、きっと大丈夫と思っていたのだが、入院してから、つまり10ヶ月目に入った頃に、小さい方も急成長し、どちらも同じくらいの大きさになったらしい。