ガンダムを息子と見る



5歳の誕生日に何を買ってもらうか悩んでいる下の子。仮面ライダーが大好きなはずだが、なぜかサンダーバード2号の、しかも装備が組み替えできるカーゴ部分だけでも良いから欲しいという。ようやくロボット(機械?)に目覚めたのかと、微笑ましい。

僕が幼稚園のころはガンダムにはまっていたことを覚えている。最終回の頭と左腕が取れ、真上にむけてライフルを撃つ姿を年長(たぶん)の教室で描いていたのを覚えている。一週間ほど入院したとき、テレビのある女子部屋をうらめしそうに覗いてガンダムを見させてもらった記憶や、急にお腹が痛くなって午後に検査するという昼時にガンダムの超合金を買ってもらって痛みが吹き飛んだことも覚えている。

いずれはガンダムを息子と見たいと思ってきたが、10巻ほどのDVDをレンタルするのは面倒だなぁと思っていた。これは中古DVDを買って、これから年長に上がる息子と見るべきだと思った。で、とりあえずDVDボックス1を買う。

中古で4000円くらいだった。

平日に届いたが、夕食後家族みんなで見ることに。第一話「ガンダム大地に立つ」だ。なつかしい、幼稚園以来35年ぶりだ。食事中はブックレットを下の子に見せて、これはグフ、これはシャア専用、などと教え込む。見だしてからは「ブライトはこれで19歳」などと解説するが、子供達の反応は残念ながら薄い。嫁さんも見たこと無いというので見たがった。アムロの父親がかなり出ていたことや、こんなに最初は操縦にてこずっていたのが驚きだった。ブックレットを見て、いろいろな人物やメカの名前を思い出す。ルッグンのレーダードームが上下に移動できるという文章があり、幼稚園児の頃は上に付いたイラストと下に付いたイラストを見て「こんな画き間違いをして、下に付いててどうやって着地するんだ」と思ったもんだが、それが間違いだと思い知る。たしかにレーダーは移動できると便利だ。


1/144 EXモデル ジオン軍メカセット (12)

1/144 EXモデル ジオン軍メカセット (12)

リュウの重要性や、ブライトやミライが結構てんてこまいしているところや、意外とサービスカットがあったことを知る。制作秘話では、ガンダムがもともとガンボーイとかガンボイとかいう名前だったが、商標登録の関係で使えず、その前の別アニメの題にあったフリーダムのダムを付けてガンダムになったとか、初めて知る。

40年間、ガンダムは続編が出たりファーストが見直されたり、いろいろ有ったわけだが、いい歳なのであえて振り返ることはしなかった。あらためて第一話を見ると、思った以上に民間人が死んでいてリアルだ。ミサイルが容赦なく撃たれるのに恐怖を感じる。しかし幼稚園の頃はこんなこと感じなかった。「ガンダム強い、アムロがんばれ」くらいだった。監督は、反戦や人間関係を描きたかったようだが、幼稚園児にはロボットのかっこよさしか目に入っていなかったようだ。しかし、他にもロボットアニメがある中で、後にも先にも一番はまったのがガンダム(ほぼ初代)で、そしてその人気が40年近く続いているのは、やはり他のアニメとは違う何かがあったのだろうなぁと思うが、それが何なのか、幼稚園児や小学生の自分がその何かに気づいていたのかは不明だ。

最近は、自分の今の性格がどう形作られたのか、自分の人間関係の持ち方や子供達を見ながら考えるようになった。子供時代のいろいろなことが影響していると思うが、ガンダムを見直すことで何か気づくかも知れない。幼稚園児の自分がガンダムに何を感じていたのか、思い出せるのでは無いかと思っている。

そして子供が誕生日プレゼントにガンダム関係のものを希望するかどうかも楽しみにしている。