山梨旅行



f:id:U_S_K:20080523082731j:image:right 5月22日から25日まで、山梨県北杜市小淵沢の、僕の実家に行ってきた。僕自身は愛知生まれの愛知育ちだけど、父親の実家である小渕沢に、父が退職後に引っ越したので、今は里帰りというと小淵沢ということになる。で、今回が子供を連れての初めての里帰りになる。長崎でやったお宮参りには母親に来てもらったが、父親は赤ちゃんに会うのは初めてとなる。

 新幹線も考えないでもなかったが、乗り換えの多さと乗車時間の長さに断念。レールスターの個室利用なんかも考えたのだけど、レールスターは何分新大阪までしか行かないので、名古屋で特急しなのに乗り換えたい僕らには都合が悪くあきらめた。というわけで、まぁ常識的に飛行機で東京まで行くことに。そこからは、小渕沢での足としても必要となるので、レンタカーを空港で借りて、4日間使うことにした。

f:id:U_S_K:20080525154713j:image:right 飛行機は、日にちをかなり早めに決めてしまったので、3月20日過ぎにバーゲン割で予約。片道14000円だ。赤ちゃんはもちろん無料(しかし原則膝の上)。予約時の座席指定ではおむつ替えもできるトイレの近くにして、万全を期す。

 一日目(22日)は、朝9時すぎに家を出て、車で大村の長崎空港へ。10時には空港に着く。今回はベビーカーは持っていかない。空港でも、チェックイン時にすぐベビーカーを借りて、体力の消耗を防ぐ。ボディチェックではあかちゃんたちも体を触られチェックされる。搭乗は優先搭乗。ベビーカーは搭乗口で返却。

f:id:U_S_K:20080522111916j:image:right 行きの飛行機では、座席は後ろから二番目と三番目の列(乳児は一列に一人までしか座れない)。幸いにも後ろの席が4シート丸々空いていて、膝の上が疲れたらその席で寝かせたりできた。なんといっても平日の長崎羽田便なわけで、飛行機も大きいし人は少ないだろうと予想していたが、その割には結構席は埋まっていて、後ろの席が一列空いていたのは幸運だった。前日は隠しておいた音の出ないおもちゃやぬいぐるみを出して機嫌を取り、なんとか1時間30分のフライトを無事終えた。12時半過ぎに羽田に着いた。

f:id:U_S_K:20080522120315j:image:right 羽田では一緒に行ったお母さんの親戚のおばさんに出迎えてもらい、お昼ごはんのうどんを一緒に食べて、僕らは1時半過ぎにレンタカーの窓口へ。トヨタレンタカー関東を利用する。7人乗りウィッシュを3日間と2時間で32000円ほど。ベビーシート2つ付きだ。ベビーシートは何日借りても一台500円。空港から営業所まで10分ほど車に乗って移動し、営業所で中央道への乗り方を教えてもらう。帰りはナビの「自宅」ボタンを押せばオーケーらしい。

f:id:U_S_K:20080522142255j:image:right 営業所から北へ2つめの信号で右に曲がればもう首都高の「羽田」入口。東京で車を運転するのも初めてなら、首都高も初めて。高速バスで首都高の渋滞に捕まったことはあるが、はたして大丈夫だろうか。実際に運転してみた結果は、かなりアドレナリンが出ていた、と思う。緊張した。実はこのときはナビを使っておらず。「新宿」「中央道」の標識を便りに、2列目の嫁さんと注意して探して進路選択していた。それでも東京タワーや都庁を横目で見ながら、新宿を過ぎ、中央道に無事入れた。中央道に入るとすぐに回りは山に囲まれる。多めに2回の休憩をして、2時過ぎに乗った高速を、5時に小淵沢出口で出る。前日までの雨と、当日の晴天で、空気は霞み気味。山梨の山々はあまり見渡せなかったが、それでも小渕沢では、北の八ヶ岳、南の甲斐駒が見えた。

 小淵沢の実家は、高速インターと小淵沢駅の中間地点にあるが、家には向かわず、スパティオという温泉施設へ。バスタオルはすでに親が預けておいてくれてあるので、そこで赤ちゃんたちもお風呂に入れてしまう。赤ちゃんたちは嫁さんとお母さんに預けて、僕だけのんびり温泉につかるのは忍びなかった。だからというわけでもないけど、なぜかゆっくりお湯につかる気分になれず、早めに出て、畳の休憩室でゴロゴロしたり、テレビで相撲を見たりしていた(琴欧州白鵬に勝った日)。

 6時半前に実家へ。母親以外(父親と姉)は、赤ちゃんたちと初対面。晩御飯を食べながら、これまでの様々なことを話す。晩ご飯は、お寿司やウナギやメカブやら。久しぶりに日本酒を飲む。

f:id:U_S_K:20080523104320j:image:right 翌日は、嫁さんとお母さんと、二人の赤ちゃんと、それに父親に案内役を務めてもらい、小渕沢周辺を車で回る。最初に三分一湧水(さんぶいちゆうすい)へ。有名なとこだが僕も行ったことないし、父親もずいぶん行ってないみたいだった。実際はほどほどの広さの散策路の中に、昔3つの村に均等に水を分けたという石の遺跡がある。新緑の葉をすり抜けてくる日差しも心地よく、冷たく透き通った水の流れがこの上ない空間を作っている。

f:id:U_S_K:20080523111856j:image:right そのあとは清里へ向かいながら、途中黄色い鉄橋を渡る。渡ったところに駐車場があったので停めて、木々に覆われた谷の眺めと、その向こうにそびえる八ヶ岳にしばし見とれる。清里では、中学生の団体客に戸惑いながらも、昼食と定番のソフトクリームを食べる。

f:id:U_S_K:20080523131009j:image:right 帰りは八ヶ岳横断道路を小淵沢インターのほうに向い、途中でペンションの並ぶ道に入り、ヨーロッパのおもちゃを多く置いているイカロス404 Not Foundというお店へ。食品衛生法に通ったシャボン玉セット(つまり極端な話、食べられる)や、ハーモニカを買う。木のおもちゃはなかなか高い。もう少し大きくなってから、また来たい。

f:id:U_S_K:20080524075026j:image:right お母さんは16時の特急で新宿へ。羽田で迎えてくれたおばさんの家に泊まる。お風呂には僕が入れて、晩御飯。赤ちゃんたちは結構早く寝てくれる。僕はなぜか早く目が覚める。6時とか7時とか(ちなみにここでの朝ごはんは8時半)。

 三日目は、10時に家を出て長野の安曇野へ。信濃松川に住む伯父さんの家を訪ねる。この伯父さんは父の兄にあたるのだが、大学でずっと研究者をしてきて、定年でこちらに移り住んだのだけれど、夫婦そろって言いたい放題なところが好きで、僕が小渕沢に帰った際には、なんどか足を延ばして訪ねたこともある。そんなときには、おばさんに「どんな人と結婚するの?」とか単刀直入に聞かれたりした。僕らの結婚式には、おばさんは体調が悪くて出席してもらえず、なんとか今回、嫁さんと、さらに二人の子供まで、一気に見せたいという思いが強くあった。

f:id:U_S_K:20080524113152j:image:right 家の近くについた時刻が、ちょうどお昼時だったので、近くの大王わさび農園を見学することに、駐車場脇にすでにきれいな川が流れ、いろんな水草が生い茂り、ボートやカヌーが置いてあり、涼やかで気持ち良い。農園は入場無料なところがまた高感度高い。広々としたわさび畑が広がっており、砂利の畝のあいだには水が流れ、寒冷紗がかけられ、散歩道もひろく快適。レストランはセルフサービスの観光地スタイルだが、「わさび丼」(ごはんにワサビの茎の漬物が混ぜ込まれ、鰹節をかけ、その上に自分でおろしたわさびを甘い醤油にといてかけて食べる)はシンプルでおいしかった。

f:id:U_S_K:20080524114657j:image:right その後伯父さんの家に向かう。おばさんは思ったより元気そうで良かった。相変わらずお互いを「役立たず」だの「うるさい」だの言っている。僕らの来訪を喜んでくれ、嫁さんには「ここの男の家系はすぐ“逃げ出す”んだから、こまったときはいつでも相談しなさいね」なんて言っていた。

 帰りも豊科インターから小渕沢まで高速で帰る。小渕沢の手前あたりの中央道は、道がごつごつしている。家の近所に新しくできたスーパーに寄って帰る。

f:id:U_S_K:20080525094244j:image:right 三日目は長崎に帰る日。16時の飛行機に乗るため、10時に家を出る。高速が混むかもしれないので、昼食含めて5時間を見ている。家族で写真を撮ったりして、行きと違い、僕ら夫婦と赤ちゃんたちだけの帰り(嫁さんのお母さんとは羽田で落ち合う)。僕はまた首都高に乗るのでやや緊張気味。子どもを持って初めて本当に安全運転を心がけたいと思った。

f:id:U_S_K:20080525120617j:image:right 中央道の小淵沢以東のサービスエリア事情はまったく知らなかったが、ナビでいろんな設備がありそうなSAということで、談合坂に寄る。野菜の直売所とかあるかなり大きくて人気のあるSAらしく、五平餅やおやき(どちらも信州名物で嫁さんは初めて)、初めて見た「焼きホウトウ」なるものを食べる。いろいろ食べられて楽しかった。嫁さんはモチモチした信州の小麦粉料理も気に入ったようだ。

 帰りの首都高は、かなりひやっとした。右側から合流してくることに慣れていなくて、ほぼ並んだ状態で進入してきた車がいて、どちらもブレーキをかけてしまい、後続車両にも迷惑をかけた。こういう場合は本線を走っている僕が前に出るべきなんだろうなぁ。これはほんとに危なかった。このことが引きずってか、このあとかなり疲れていた。レンタカーなのでガソリンを入れる。600キロ弱走って、40リットル、6300円だった。え?リッター15キロも走るの?ウィッシュって?まぁ、ほとんど高速に乗っていたわけだけど。

f:id:U_S_K:20080525175910j:image:right 空港に着いたのは2時半。ベビーカーに乗せて、お母さんたちと合流し、トイレに行ったり、増えた荷物を預けたり、キャラクターグッズのお店にリサとガスパールを探しに行ったりして、すぐ3時半。ボディチェックをして、長崎行きはだいたいバスで乗り場まで行くので、地下のゲートに行き、乗る前にミルクをあげたりと、忙しかった。早めに空港に着くようにして良かった。飛行機の機種が変更になり、座席も変更されてしまった。おむつ替えできるトイレからはちょっと離れたが、それでも隣の2席が空席で、かわりばんこに寝た二人を寝かせることができた。席が空いていれば、なんとかなるが、1時間半、ずっと膝の上はつらいだろうなと思った。

 長崎空港に着いた頃は、僕はへとへとだった。高速や飛行機の乗り降りで疲れ切ってしまった。帰りの運転は嫁さんに任せ、近所の回転寿司屋で持ち帰りして、ビールで食べても元気は出なかった。その後、翌日の仕事の準備をして、泥のように眠った。

f:id:U_S_K:20080523081919j:image:right 最後はかなり疲れ切った旅行だったが、初めての子連れ飛行機里帰り旅行は、楽しく過ごせた。「なんとかなるだろう」と思っていた飛行機は、なんとかなった。レンタカーも正解だった。山梨は空気も水もきれいでおいしかった。僕は両親含め、家族に自分の子供を紹介できて、やっぱりうれしかった。嫁さんの家族や親せきにあやしてもらうのとは、また違った感じがした。嫁さんは、僕の父が赤ちゃんをあやすのを見て、僕にそっくりと言っていたけれど、それはきっと、僕が父親のあやし方(姉の子をあやす風景を見ていた)をまねているのだろう。母親にも、嫁さんがほんとにしっかり家のことをしてくれていることを話せた。長崎に住んでいるので、どうしても山梨の僕の実家よりも、佐世保の嫁さんの実家のほうにお世話になってしまうが、大切な家族が遠い山梨にもあることを、僕も感じられたし、嫁さんも、また二人の赤ちゃんも感じてくれたと思う。