キャラクターという宗教



 嫁さんはキティちゃんのグッズをいっぱい持っている。といってもテレビに出てくるような、部屋いっぱいにグッズがあるようなマニアではない。子供の頃好きで、一旦離れたものの、大学生あたりからまた「可愛い」と思い始めたらしい。で、どうなるかというと、周りの人が嫁さんにキティちゃんグッズをプレゼントしてくれるのだそうな。記念品はキティちゃん、旅行に行ったらご当地キティちゃん、キティちゃんのもらい物は流れてくる、という具合だ。僕としてはあまり喜ばしくないのだが・・・。

 でも、そんな僕でも、買い物に行った近所のスーパーで、キティちゃんの商品が売っていたりすると、ついつい喜ぶ顔が見たくて買ってしまいそうになるから驚きだ。キティちゃん→嫁さんが好き→嫁さん喜ぶ→自分もうれしい→買いたい、という条件付けが、いろんな人の頭の中でされているのだと思う。本人は決して好きでもないキティちゃんを買おうとしてしまうところが、自分でも怖い。キャラクター商品って、好きな人が買うだけでなく、人を喜ばすために、その人が好きなキャラクターを買ってしまうという面もあるんだなーと思った。あまり宗教とは関係ないかも知れないけど、ディズニーランドのパレードとか見ていると(パレードとそれを眺める人々を見ていると)、こりゃ宗教だという思いを強く抱いた。見ている側を放心させ、判断不能な状態に陥らせる(かのような)恐ろしい力だった。そしてそのようなものに僕自身も侵されていたのだなぁ。