誕生から十日経って



 サアとホーが生まれてから10日が経った。まだ見た目ではそんなに変化はない。体重で言えば、2300と2200ほどで生まれた二人は、いったん2000キロを割り、現在、2100と2000程度。退院の目安は2300なので、そこまで待つのはちょっと時間がかかりそうということで、2日続けて体重が増えたら退院と言うことにしてはどうかと小児科の先生が言われた。見た目では、やせたように見えず、心なしか頑丈になりつつあるように見えるが、それはこちらが恐る恐るさわっていた最初の頃より大胆に触れるようになったから、という思いこみの頑丈さかも知れない。

 うんちもおしっこも順調に出ている。生まれるまではオムツ換えにネガティブな印象も持っていたけど、生まれてからは「健康の証」と思えるようになり、オムツ換えが幸せに感じるほどになった。さいきんは、二人とも(特にサアちゃんが)顔を左に向けて寝るので、頭の形が非対称になりはしないかと、二人で悩んだ。小児科の先生に聞いて、向くのははしょうがない、ということで落ち着いた。

 お乳は3時間ほどの間隔を開けて飲んでいる。昼のほうが寝ている時間が長いようだ。オムツは一日一人10枚ほどを消費している。二人で一日400円ほどかかるわけだ。うんちは液状。最初は緑の青のりみたいのだったけど、いつしか茶色の液状のものに。母乳を飲ませているからか、ほぼ臭さは感じない。ただ、最初の頃は、オムツのされたおしっこの臭いが、フライドポテトの臭いに感じられた。香ばしい。

f:id:U_S_K:20071020094226j:image:right 表情は豊か。しかめっつらしたり、口をすぼめて目をくりくりさせたり、おでこにしわを寄せたり、起きてるときの表情は見ていて飽きない。たまにほほえむこともあり、これが新生児微笑か、などと思うが、他のレパートリーも多いので、ただ大人が微笑に価値を置きすぎて「新生児微笑」なんて言葉で特別扱いしているように思える。もっともほほえんでいる様子はもちろん可愛く、それなのにうまいタイミングで写真に撮れなくて困っている。ほかの表情も負けずに魅力的なので写真に収めている。つまり新生児驚愕とか新生児憤怒とかだ(造語)。

 お乳を飲むタイミングは、赤ちゃんが泣いたときにあげるようにしている。できればもう一人も起こして続けてあげられた方が母親は楽なのでそうしているが、なかなか起きて飲んでくれないこともある。胸元に持って行っても、自分から吸い付くわけではなく、あらぬ方向を見て口を開けることもある。だいたい頭をつかんでおいて、口を開けたところで、乳房に押しつける感じだ。押しつけられてアヒルの口のようになるのが好ましい。サアちゃんは下の歯茎に白い「歯」が付いていて(歯茎の表面に固い部分があるという感じ)、それで乳首をかまれると痛いらしい。大きく含ませることによって、痛くなくなる。

 二人ともたまに戻す。原因は飲み過ぎやらゲップのまきぞえやら、いろいろあると小児科の先生は言っていた。右を下にして寝かしたり(背中にタオルなどを当てる)すれば、戻しても気管に入らないらしい。ゲップをさせるために、飲んだ後はしばらくだっこして揺すったり背中をたたいたりしている。落ち着いたら傾かせたケースに寝かせる。

 利き手のようなものはまだ見あたらない。ただ寝るときに体は上を向いているのに頭を左に向ける。小児科の先生には癖と言われたらしい。まだ何かを取るというような動作もしないし、蹴飛ばすと言うこともしないので、利き側がどちらかは判断できない。

 嫁さんは、お乳の出が良いようで、一人にあげていると、もう片方からしたたるほど(普通なのか?)。だからほ乳瓶を当てて溜めている。昨日の夕方、一人でいるときに、看護婦さんに「大丈夫ですか?」と聞かれて泣いてしまったらしい。嫁さんとしては、看護婦さんの優しい言葉についウルウル来たという程度だったらしいが、看護婦さんには入院が長引きそうで不安を感じているんだと思われたらしい。だから今朝、担当の看護婦さんが来て「大丈夫だから」と励ましてくれたりした。