2024本気の山行①黒部五郎:結果

  • 1日目

9時寝、4時起き、5時前に家を出る。

黒部五郎に登るには、有峰林道の奥の折立から登るが、林道のゲートが開くのは6時。家からゲートまで1時間弱とナビに出るのでちょっと早すぎた。立山連峰から日が昇る。雲一つ無い。

家を出て、そういえば体調不良対策の葛根湯を入れていなかったなと気づく。取りに帰ることも考えたが、アルペン村のセブンイレブンで探すことにする。さすがに葛根湯は無く、生薬配合のユンケル顆粒を3包買う。このコンビニは旅行者向けなのか、近隣生活者向けなのか、品揃えに生活感があり、所狭しと多品目が並ぶ。

5:40ゲート着。

すでに30台ほどいる。富山、石川などに三重や神奈川が混じる。通行料は2000円(出るときは料金不要で、停止する必要も無いようだ。出るとき減速したら「行って良い」という感じで手を振っている)。

ゲート出てすぐには亀谷温泉がある。帰りに入れると良い。

6時ゲート開く、6:50臨時駐車場着。

薬師岳登山口近くの駐車場は満車。臨時駐車場はやや遠いが、何台来てもOK、というスタンスは、室堂方面に行く際の立山駅周辺駐車場と同じで助かる。

7:10登山口発。

もう下りてくる人が居る。この後、仕事に行く人か?

最初の休憩8:00、三角点8:41、五光岩ベンチ10:40。

三角点までは木の根や石の急登で登りにくい(下りはさらに下りにくい)。登山道から5mほどの森の中でガサガサ言っているの。小さい(~1m)黒いものが木を引っ掻いているようだ。子熊だと思う。後から来た人と一緒に気をつけて通り過ぎる。ちなみに今回はクマスプレーをザックのウエストベルトに付けている。初めて使う態勢を取った。

石畳の階段は歩きやすい。室堂の石畳より歩きやすい。

太郎平小屋までの道から、白山方面。

太郎平小屋11:30。

去年の薬師からの下りで、この坂の長さは痛感していたが、登りだからか、イメージしていたからか、それほど辛くなく、本日の登りを完了した。(1日目:4時間20分)

キャンプ場に行っても退屈なので、小屋の日陰(あまり無い)のベンチでダラダラしてる。単独行小屋泊のお姉さんと、どこ行くのかという話になり、黒部五郎から黒部五郎小舎までは一緒で、その方は新穂高に下りるという。その後、沢登りパーティの一員で、メンバーを途中で置いてきたというお姉さんも加わり、その方は薬師沢に下り、赤木沢というところを登り(登ったところは黒部五郎までの道)、黒部五郎小舎からさらに三俣蓮華小屋に進んで泊まり、その後赤牛岳から黒部湖に下りるという。同レベルの人(山が好きなクセにしんどすぎるのはご免)や鉄人のような人と、いろんなルートの話をするのが山の楽しみ。僕は小学生から大学3年頃まで毎年父とテント泊山行をして、20年ほどブランクがあり、縦走を開始したのは去年からだが、毎日のように地図を見て、後立山や笠、蝶という、表銀座裏銀座立山剱よりはマイナーな山にも知識が付いてきたので、ぎりぎり付いていける。

テント場は、15分ほど下ったところ(薬師峠キャンプ場)。沢登りのお姉さんから「早く場所取らないと」とアドバイスされ、たしかにあそこは狭かったりナナメだったりの場所が多いので、1時頃には下ったか。まぁまぁの場所を見つける。高校のグループが2つほど来ていて、大きなテントを複数張っている。今日はビールをガマン。

天気が良すぎてテン場は暑く、テントの中にも居られない。木陰をなんとか見つけて、石を並べて尻に敷き、草に持たれて休む(ちょっと寝る)。

やっぱイス良いなー。今年は道具を精選して、ザックに余裕が出たから、真剣に折りたたみイスを考えてよさそうだ。

究極?の簡単食。シチューも袋の中で戻すので、食器を拭う必要も無い!ゴミは全て赤飯の袋に入れて圧縮してチャック閉める!これで約450kcalかな。トマトやマスカット、プルーンなども食べて計500kcalか。山ではあまり食欲沸かないんだな。

食後の夕焼け。富山平野方面。テン場からは見えず、トイレ前の水場からチラッと見えるが、坂を上がって木道まで行くと良い眺め。

どうせやること無いし、まわりも暗いうちからうるさいだろうから、早く寝て3時半に起きることにする(これまでは5時起きとかだった)。

  • 2日目

5:20テン場発。

朝食は「ずっしりケーキ(400kcalほど)」と粉ミルク(赤ちゃん用)。

小屋を出てすぐの黒部五郎までの眺め。かなり遠く、いくつかのアップダウンがあり、最後は急登なのが見て取れる。ちょっとゲンナリする遠さ。その先の小舎までも2時間近くある。

北ノ俣岳8:00、赤木岳9:00、ガス出てくる9:20、すぐ晴れる、中ノ俣乗越9:50、黒部五郎への登りはガスの中。

薬師から続く立山・剱まで見通せる。水晶、赤牛、雲ノ平も存在感ある。携帯もたまに通じる。

肩11:50、頂上12:05。残念ながら、ガスで見晴らしは無い(地図には「大展望」と記されている)。でも明日も戻ってくるからきっとその時見られるはず、と思えば名残惜しくない。

雑誌で見て憧れた、独特の景観を持つ黒部五郎のカール。

カールを下るのも時間掛かるが、カールを抜けてからも結構森の中を歩く。その間、小屋も見えないので「どこまで歩くんだ」と軽く絶望する。去年のスゴ乗越小屋と似る。2日目のキツさ。

小屋14:40。

昨日の小屋泊のお姉さん、お姉さんが山頂で会った若夫婦と呑む。立山で警備隊経験のある人、そのガイドのアラスカ言ったりマウンテンドクターの監修してたりする人とも話する。小屋泊のお姉さんがハブ的な人で、そんな人と出会えたのが幸運だった。NHKの受信料とか、バスタオルの洗濯頻度や、剱は別山尾根と早月尾根とどちらか簡単か、など議論し、5時頃まで呑む。ガイドさんに、下廊下は「難易度高い難コースなのか、落ちたら死ぬという難コースなのか」聞けば良かったと後悔。

日没直前に、テン場と小屋の間の木道でオコジョ2匹いる。

(2日目:9時間20分)

  • 3日目

5:20テン場発

この写真を撮った頃(まだ朝)、休憩でザックを上げ下ろしして歩こうとしたら左膝に痛みが出て血の気が引く(これからずっと痛いのか?)。幸いその後は感じなくなったが(別の問題が出てせいもある?)、乱暴なザックの上げ下ろしで膝に負担を掛けないようにしよう。

昨日も眺めたカール。昨日下りてきて、小屋でお話ししている時に「同じ道を戻るのは辛い。別の山として登ることにした」と宣言したけど、天気も違うし、行きとはまた違う視点で道を歩くので、あまり辛くは無かった。下りのほうが長く感じた。

肩に向かう急登で、20cmくらいの石を落としてしまう。すごい勢いでゴロゴロ回転しながら落ちていった。幸い登山道が通っていない斜面を落ちていったので危険はなかったが、あれが人に向かって転がっていったら恐怖だ。

11:32肩8:00、頂上8:20

この後、腹痛に見舞われる。腹痛というより、痛くないのにオナラと一緒に何か出てくる予感。そして実際に・・・。霧が濃くて助けられたこと数回。初めての経験。どんな薬を持っていけば良いのか、むしろオムツ?とか考えながら下りてきたが、波のように押し寄せる圧力に油断できず。

この時の便、透明だった。透明な便と、前日の臭いオナラは、ストレスによるものというネット記事もある。ストレスとは何か?長距離歩行、高校生集団×2との抜きつ抜かれつ(挨拶付き)、放ってきた仕事・・・?一番心配したのは、2日目の午後に食べた生もの(トマトとシャインマスカット)。これ他の人にも分けたので、その人たちが腹痛になっていなければ良いのだけれど・・・。どうも食中毒の便では無さそうで、とにかく迷惑を掛けていないことを願う。

中ノ俣乗越10:15

赤木岳11:20

北ノ俣岳12:15

太郎平小屋14:20着14:40発

折立18:00着

太郎平小屋に14時すぎという、予定をちょっとオーバーした時間に着いたので、体のこともアリ、どうにか下山することに挑戦。五光岩ベンチまでは順調だったが、三角点ベンチは遠く、折立までの急降下は「もう絶対ここには来ない」と思わせるものだった。どうか「あと○メートル」の標識を立てて欲しい。心の支えになるから。

急降下で、木の根に足を乗せたら滑って転んだ。

(3日目:12時間40分)

この自販機でミニッツメイドを買おうとしたら、途中で引っかかる音がしてモノは出てこず、おつりだけ出てきた。隣の自販機で再挑戦したら、出てきて良かった。放っておくこともできたけど、後から来た人も迷惑するかと思い、帰る途中の有峰ハイツ(宿泊施設)に寄って事情を説明する。お金を返してもらえれば良かったのに、なぜか現物支給。

その後、有峰林道を走り、ゲートを出てから温泉に。疲れ切っていたが、ちょっと回復した。ヨーグルッペを呑む。

 

後日の考察:

腹痛の原因は、食物繊維の取り過ぎかも知れない。今回目新しく持っていった食料に、プルーン、トマト、マスカット、バタピーがある。ちょっと消化に悪かったのかも知れない。朝食のずっしりケーキも重たかった(2日目は食べきれなかった)。山ではカロリーを補給したいとも思うが、脅迫観念的に食べるとかえって良くないのかも(それがストレス?)。体重とザック重量から推定する水と食料の量は、2リットルと2000キロカロリー

(追記:黒部五郎小舎でのビール2缶のせいかもしれない)

パッキングの改善として、いつも撤収したテントは濡れたまましまい込むのがイヤなので取り出しやすいところに収納し、隙あらば乾かすのだが、それがしやすいように、ザックのループにゴムコードを通すことにした。本体とフライを分けて2箇所に結わい付けられるようにした。

テント内にはエマージェンシーシートを敷いて、結露がシュラフをぬらさないようにしているのだが、たたむのが大変なのと、そのときにカシャカシャ音が鳴るのが気になっていた。いっそ薄いアルミマット(1×2m)を持って行った方が効率的かも知れない。そして緊急時のエマージェンシーシートとしても暖かさに勝るだろう。