夏休み終わる



今年の夏休みは、8月頭のバレエ発表会、お盆の佐々への里帰り、21日から27日までの山梨への里帰りで、あっという間に過ぎた感じ。

山梨への里帰りは、帰りの航空券だけは発売直後にとりあえず安く押さえておき、行きは下の子(3歳男子)のため新幹線で行くことに。せっかく地上を行くのだから、途中京都に一泊していこうと6月頃までは思っていたのだが、ちょうどそのタイミングで仕事の会合が京都で行われるので参加しないかとのお誘いをいただき、何かの啓示かと思い京都に2泊することに。行きのチケットも指定席の予約が始まる乗車一ヶ月前に、かもめ→新幹線→しなの→あずさと乗り継ぐ四人分(大人2人子ども2人)を予約。8万ちょいだった。しなのはワイドビューとのことで、運転席と前方が丸見えのグリーン席の予約を計画したが、すでに取られていた。そこからは宿泊先(大人2名、子ども3名で2泊)探しが大変で、町屋を一棟借りようかとか、いやいや二泊だし安いビジネスホテルとか、いろいろ検討した結果、ごみごみした町中ではなく、京都にしては珍しく広々とした雰囲気の岡崎・平安神宮界隈の京都トラベラーズインを選択。

さらに問題があり、行きは電車、帰りは飛行機としたことで、空港に帰ってきてからどう家まで帰るかに困った。つかれているので、車で気楽に帰りたい。しかし車で空港に寄ってから電車の駅(諫早駅?)に行くのは朝から大仕事。で、妻の提案した「出発前夜に2台の車で空港の駐車場に行き、1台を置いて、もう1台で帰ってくる。翌日朝はバスで長崎駅へ」という手段を執ることに。駐車場代は4000円だが、タクシー代や疲労度を考えると払える。

二泊するので着替えが増えて、デイパック2つと小さなキャリーバッグで7時過ぎのバスに乗る。8時半の電車だが、朝の渋滞をあまり知らない夫婦なので、出足から躓かないように余裕を持って出る。「白いかもめ」は新幹線に似て下の子のウケは良いのだが、座り心地はあまり好きでは無い。テーブルを出し入れしたり、さっそく旅行用の月刊誌を開けたりしている。博多での乗り換えは10分ほどでシビアだったが、抱っこで難なくクリア。しかしその後、下の子はここぞとばかりわがままカード(抱っこ要求)を切ってきて、こじらせると面倒な親(僕)はさっさと抱っこをしてしまうようになってしまった・・・。京都までの3時間は、案の定下の子は飽きてしまい、走っている最中に「降りたい〜!」と言う始末。

京都は僕が学生時代を過ごした街なので、なじみもあるし、夏の暑さも知っている。とにかく涼しく過ごす工夫が必要だ。とりあえず荷物はホテルに預けることにし、地下鉄で最寄り駅である東山三条に。疎水の支流沿いに歩くことで少しでも涼を取る。ホテルには2時前についたのだが、部屋の準備が終わっていたので入れてもらえることに。ちょっとだけ休憩して、まずは清水寺見物だ。子どもたちと京都観光と行っても、寺ばかり回っても面白くないだろうからと、とりあえず清水寺金閣寺くらいを候補にして、2日目は嵐山のトロッコ列車(予約済み)で趣向を変える。タクシーで高台寺まで乗せてもらい、二年坂三年坂を通り清水寺へ行く。途中かき氷を食べる。お香の店とか、金平糖の店とか見ながら、京都らしい路地を上っていく。

清水寺は結構大規模な工事をしていたが、まぁ舞台からの眺めも良く、弁慶の下駄とか、おみくじとか、お参りとか、水飲んだりとかして、楽しんだ。アップダウンもあり、景色が変わるのが大人にも子どもにもウケる要因だろう。学生の頃、この寺の出口付近で無断でアンケートを取り、社務所に連れて行かれたのがなつかしく思い出された。寺を出てから、さっそく家族旅行恒例のマグネット購入もして、なぜかジブリの店に行き(初日だから子どもたちも何とか買うのを我慢した)、もう6時前になった。僕の予定では、八坂神社前から四条通りを歩いて、鴨川の等間隔カップルを見て、河原町先斗町で夕食をというコースだったが、初日だし体力を温存するために、タクシーで三条西桐院あたりの居酒屋「まゆめ」へ。地元の知り合いに教えてもらった美味しいおばんざいの店だ。タクシーで、うろ覚えな場所と店名から場所を特定してもらい、振り向いて八坂の塔を見るように教えてもらい、建仁寺の龍のふすま絵や風神雷神図について教えてもらい、その間に僕は店を予約して、非常にスムーズに店に入る。高台寺に行くタクシーでも運転手さんがいろいろ話をしてくれたので(遠回りした場合に、その方がスムーズであることを教えてくれる。きっとたまに苦情を言われるのだろう)、妻は京都のタクシーに好印象を持ったようだ。

僕にとって京都の居酒屋は、ドテ焼きと米なすの田楽と冷や奴だが、白味噌のすじ煮込みと、ナスの揚げだしでそれらへの欲求を満たす。牛大和煮が乗るピザは、子どもには味が濃いのではと心配していたが、きつくない味付けで子どもたちもばくばく食べた。ピザに限らず、おしなべて味付けがちょうど良く、味が濃いだけの居酒屋とはちょっと違う。最後にいっぱいだけ飲んだ日本酒は、リストから迷いに迷って選んだ岐阜の酒で(どの酒も聞いたことが無い銘柄だった)、味があって、しかし後に残らない、美味しい酒だった。空いている時間帯だったからか、子どもにも優しく、良い店だった。

翌日は僕は1日仕事。家族は妻の両親と合流し、京都の西の端でトロッコに乗る。嵐山の駅には、Nゲージのような展示があり、下の子は有料で動かす体験をしたようだ。その後、建仁寺祇園を散策したとのこと。

三日目はホテル近くの南禅寺に行き、山門に上がって京都の景色を見る。これで一人数百円するんだから、歴史的遺産は良いビジネスになるなと感心する。タクシーで京都大学に行き、普通とは違う、近衛通りに下ろしてもらい、吉田寮の裏から時計台、百万遍交差点までを縦断する。まだ昼前だったが、1時半の新幹線に乗るので、早めに京都駅に向かう。百万遍から地下鉄今出川駅に行き、地上の混雑とは無縁の地下鉄で京都駅に。駅ビルのレストランは行列ができていたので(しかも高いので)デパ地下でお弁当を買って新幹線に乗る。名古屋まで45分くらいと思っていたら、米原にも止まらないので30分くらいで着いてしまうようで、のんびりお弁当を食べて、彦根あたりかと思ったらもう大垣で焦る。名古屋からはワイドビューしなの塩尻まで。僕は名古屋の北の町で育ったので、名古屋から親の実家がある山梨にはよく行ったが、特急に乗った記憶はほとんどなく、学生時代も京都から鈍行で9時間ほど掛けて山梨に帰っていたので、特急に乗るのが贅沢に思える。トランプをしたり、軽く寝たり、下の子と一緒に運転席を見に行ったり(一番前の座席には成人男性が二人、静かに前を見て座っていた)した。塩尻に着く直前に下の子が寝て、次の電車(東京行きあずさ)は短いので指定席を取っていなくて、乗ってみたら東京に帰る人で満席。45分近く抱っこして過ごす。一番きつかった。夜ご飯は実家のカレーを食べる。

四日目はアウトレットへ。僕はレインコートとポロシャツ。子どもはシルバニア。スイーツ(揚げパンみたいなの)を食べて満足して帰る。

五日目はレンタカーを借りてピラタスロープウェイに乗ったり、白樺湖に行ったり。

六日目はのんびり。下の子と線路沿いで電車を眺める。

七日目は7時の電車で東京へ。科学博物館の「生命大躍進」展を見に行く。16時の飛行機で長崎へ。空港近くの温泉に入り、そこで晩ご飯も食べて、長い旅を終える。

下の子は、8月初旬に庭で水遊びを連日してこじらせた咳が続き、苦い薬を飲ませながらの旅行だった。上の子も、前の週に乳歯を抜いた際についた傷が原因なのか、口内炎に悩まされ、京都の薬局でパッチを買うも、長崎に帰ってきてようやく治るという、体調不良を抱えながらの旅だった。それでも親が元気だったので、無事乗り越えられた。

・三歳児言い間違い

ぶたにく = かさぶた(使用例、ここに豚肉付いてる)